観光、スポーツ、冒険、など海外旅行の楽しみ方は様々ですが、その資本となるのは健康で元気な身体ではないでしょうか。しかし万全の体調で旅行に出かけても突然の体調不良に襲われることもありますよね。そんなとき、頼りになるのは日本の薬!というわけで、海外旅行に絶対持っていくべきオススメの薬や、飲むタイミングなどをじっくりと紹介します。
海外に行くときは体調不良に要注意
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旅行へ行く前は元気だったのに、現地に着いてから調子が悪くなってしまうことは若くて健康な人でもありがちです。
海外旅行は1週間以上の長旅になることも多いので、体調も変化しますし、特に食べ物や気候の違う場所では思わぬところに体調不良の原因があったりもするので、日本にいるとき以上に注意が必要なんですね。
さらに、言葉の分かりづらい海外旅行先で病院にかかるのは、楽しい旅を中断することにもなりますし、自分の症状がうまく伝わるか、など不安も多いので極力避けたいものです。
海外では日本の薬よりも成分の強いものが使われていることも多いので、現地の薬を飲むと副作用で余計に体調が悪くなってしまうこともあるんですよ。
海外旅行での体調不良は1日~2日で治る軽いものから感染症など重篤なものまで色々ありますが、以下の症状については「誰もがなり得る症状」なので、自分がなってしまう可能性も十分あるものとして、薬を持参するなど対策を立てておきましょう。
- 下痢、胃痛
- 頭痛、歯痛
- 風邪
- エコノミー症候群
- 皮膚炎
- その他持病の悪化
機内に持ち込みはできる?薬の知識をチェックしよう!
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体調不良が起こらないのは一番ベストですが、実は健康な海外旅行者の半数近くが下痢や腹痛などの経験を旅行先でしたことがあるというほど多いんですよね。
それだけに、持病のある方は処方薬を、そうでない方も風邪薬や頭痛薬などをある程度は準備していきたい海外旅行ですが、飛行機内へ持ち込む手荷物には厳しいチェックが入ります。
日本から持参する薬は出来れば手元に置いておきたいものですが、果たして機内への持込は可能なのでしょうか。
結論から言うと、基本的に機内への薬の持込は可能です。一般的な錠剤や目薬、塗り薬などの市販薬については無制限で、手荷物検査時も特にバッグからわざわざ出して提示する必要はありません。
ただし、シロップなどの液体医薬品のほか、原則医師の処方によらないと入手することができない医薬品については、持ち込みは可能ですが手荷物検査(保安検査場)で係員への説明が求められる場合があるので気をつけてください。
具体的には、以下のような医薬品に注意が必要です。
風邪薬など市販の液体医薬品
通常、国際線の機内には100ml以上の液体を持ち込むことができませんが、液体医薬品の場合は「医薬品であること」を証明すると機内で使用する分量については制限なく持ち込みが可能です。
日本出発の際は説明しなくても見ただけで分かってもらえそうですが、乗り継ぎや帰国の際に他国で手荷物検査を受ける場合は英単語で伝える、またはメモ書きやジェスチャーなどで説明するようにしましょう。
コンタクトレンズ洗浄・保存液
コンタクトれンズの保存用液も液体医薬品の一種なので機内持ち込みの容量制限は対象外となります。
「機内で利用する範囲の量」であることが条件なので、長期の海外旅行の場合は小さめのボトルを機内持ち込み用にし、もうひとつ大きめのボトルをスーツケースに入れておくと良いですよ。
スプレー類
液体同様、機内への持込が制限されるスプレー類ですが、こちらも虫除けスプレーやかゆみ止め、筋肉痛緩和など医薬品については持ち込みが可能です。
手荷物検査の際に説明が必要となることもあるので、薬品名・成分・症状について簡単な知識を事前に調べてメモなどに記入しておくことをオススメします。
喘息吸入薬
喘息吸入薬は錠剤や液体と異なる形状ですが、小さなものであればバッグにそのまま入れておいて問題なく手荷物検査も通過し、機内持ち込みが可能です。
大きなサイズのものや量が多くなると手荷物検査の際に説明が必要となる可能性がありますので、薬の情報が分かるもの(おくすり手帳や診断書など)を用意しておくと説明が楽になるでしょう。
インシュリン注射など錠剤・液体形状以外の医薬品
医師の処方による薬類も機内への持込は可能ですが、インシュリン注射など形状の異なる医薬品のほか、大量の薬類になると手荷物検査の際には説明を求められることがあります。
処方箋を持参する場合は、事前に医師による診断書を用意するか、薬局でもらえる「おくすり手帳」という薬の情報を印字したシールを貼る冊子を薬と一緒に手荷物に入れておくと便利ですよ。
どのような薬でも医薬品であれば機内へ持ち込みができますが、日本の薬は海外の空港で「何のための薬であるか」を聞かれることもあるので、そのような場面を想定して機内へ持ち込む薬の簡単な説明は出来るように準備しておくと万全ということですね。
基本的に医薬品はすべて機内へ持ち込みできるとはいえ、紛失する恐れもありますし急な体調不良だと機内で思いのほか薬を服用してしまうことも考えられます。
手荷物以外にスーツケースを預ける旅行の場合は、必ずスーツケースにも同じ薬を用意しておくようにしましょうね。
海外旅行に行くなら必需品の薬一覧
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機内にも医薬品を持ち込めるので、しっかりと用意しておきたい市販薬ですが、種類がたくさんあるのでどれを持って行って良いか悩みますよね。
常備薬で、普段から飲用したことがあり効果を知っている薬があればそちらを持って行くのが一番ですが、普段使い慣れていない薬を持っていく場合には以下のオススメ必需品の薬一覧を参考にしてみてください。
風邪薬
市販の風邪薬には、症状別に効果のある薬と熱・喉の痛みや鼻水・咳など諸症状の緩和ができる「総合感冒薬」があります。
海外旅行に行くときはどのような風邪の症状が出るか分からないので、「総合感冒薬」がオススメです。
ルルアタックEX
即効性が高く、特に喉の不快感や痛み、発熱に効果が高い風邪薬です。錠剤と顆粒の両方があり、顆粒は消化が早いため特に効き目の出るタイミングが早いのでオススメですが、旅行の際には錠剤・顆粒2種類とも用意しておくのが万全といえるでしょう。
パブロンSα
5歳児から使用できるので、小さなお子様連れの旅行にもオススメの総合感冒薬。顆粒と錠剤がありますが、錠剤のほうがより安価です。パブロンを用意するなら錠剤のみにし、少し多めに用意しておくと帰国後も常備薬としても置いておけるので経済的なのではないでしょうか。
葛根湯
代表的な漢方薬の「葛根湯」は風邪の引き始めに効果が高く、そのほかにも肩こりやアレルギー、疲労回復にも効き目があります。漢方の味が苦手でない方は粉末状のものを、苦手な方にも錠剤がある葛根湯は、本当に海外旅行の色んな場面で手助けしてくれる強い味方です!ぜひ1種類は持参してくださいね。
胃腸薬
海外旅行でもっとも起こりやすい症状といわれているのが、下痢や腹痛など胃腸障害です。移動や慣れない食生活によるストレスのほか、実際に食べたものや飲料水が合わなかったりと原因は様々です。
諸外国では日本よりもスパイスやオイルを大量に使った料理が多い分、一流レストランといわれるところで食事をしても食べ過ぎるとお腹を下してしまうことが案外多いもの。でも、腹痛や下痢は観光などで移動しているときに突然起こると辛いものですし、グルメも楽しみたいのに食べられなくなる、というのも切ないですよね。
成人の方だと、ちょっと羽目をはずしてワインなどのお酒を飲みすぎちゃって翌日、お腹の調子が・・・なんてこともあるかもしれません。
そんなときのために胃腸薬は、各症状に応じて多めに用意しておきましょう!海外旅行に用意する胃腸薬は以下のものがオススメです。
指定医薬部外品
エビオス錠・新ビオフェルミンS
普段、胃腸は強いから海外旅行でもきっと大丈夫!そんな自信のある方も「エビオス錠」や「新ビオフェルミンS」くらいは用意しておきましょう。
どちらもあまり強い効果はありませんが、「エビオス錠」は食欲不振や消化不良、食べすぎや飲みすぎ、胸焼け、胃もたれ、二日酔いなどたくさんの症状に効果があります。
副作用もほとんどありませんが、服用量が「15歳以上の1日あたりが30錠」と多いので、1週間以上の長い旅行になる場合は少し難点ですね。
「新ビオフェルミンS」は「エビオス錠」以上にソフトな効能で、便通を整える効果と胃もたれや膨満感を抑えてくれます。
女性に嬉しい便秘解消の効果もあり、また錠剤は5歳以上、「細粒」であれば3ヶ月以上5歳未満の乳幼児でも服用可能とお子様連れのご家族には特にオススメですよ。
医薬品
「エビオス錠」や「ビオフェルミンS」は指定医薬部外品なので、少し不調を感じたときに服用すると良いですが、効き目が出るスピードはあまり速くありません。
一方、医薬品の「正露丸」や「ストッパ」は症状が出たときに効果がすぐに出るため、医薬部外品とあわせて持参しておくと良いです。
正露丸
各製薬会社から販売されている「正露丸」は下痢止めや食あたり、腹くだしのほか虫歯の炎症を抑える殺菌効果もあるスグレモノで、海外旅行へ行く方には重宝されています。独特のにおいが気になる方もいらっしゃるでしょうが、効果とそのスピードはバツグンなので、食あたりや下痢などの症状が起こりやすい海外旅行の必需品といえるお薬ですよ。
ストッパ
水なしで下痢を止められる「ストッパ」も即効性が高く、観光などの待ち歩き中に突然もよおした腹痛などを水がなくても止められるので、特に移動が多くなかなか自由にトイレに行けないツアー旅行などの際にはオススメです。
総合胃腸薬
「正露丸」や「ストッパ」は、お腹をくだしたとき、主に腸へ作用する薬ですが、飲みすぎたり食べ過ぎたりしたときには胃にも効果のある「大田胃散」や「大正漢方胃腸薬」のほうがより効能が高いといえます。
大田胃散
飲みすぎ、胸やけ、胃もたれ、食べすぎ、胃痛、消化不良、消化促進、食欲不振、胃酸過多、胃部・腹部膨満感、吐き気、げっぷなど、ありとあらゆる胃腸障害に効果があります。錠剤もありますが、顆粒タイプのほうがより効果の出る速度が早いので、顆粒が飲める方はこちらのタイプを用意していきましょう。
大正漢方胃腸薬
ストレス性胃炎、胸焼け、胃もたれ、急性の腹痛、腹部・腰部の痛み緩和に効果があり、大田胃散以上に「ストレス」に強い薬といえます。長時間のフライトが必要となる海外旅行時には、機内の環境的なストレスで胃痛・腹痛が起こる場合もあるので、大正漢方胃腸薬を持ち込んでおくと安心ですね。
吐き気止め
飛行機のほか、海外旅行先でバスや電車、船などを使うときに用意しておきたいのが吐き気止めです。
アネロン
15歳以上のみの服用となりますが、1日に1カプセルで効果が続くため機内持ち込みに最適です。乗り物酔いの吐き気、めまい、頭痛を緩和するとともに「予防」の効果もありますよ。
トラベルミン
大人用と子供用があり、お子様でも「トラベルミン・ジュニア」なら安心して服用できる酔い止めです。こちらも乗り物酔いによる吐き気や目まい、頭痛の予防・緩和の効果高いお薬なので機内にも持ち込みで用意しておくと良いでしょう。
鎮痛剤
飛行機移動に伴う時差ボケや睡眠不足のほか、ストレスや肩こりなどから来る頭痛、突然の歯痛の緩和など、また、生理痛や発熱を抑える鎮痛剤は、万全な体調で海外旅行を楽しむ場合の必需品です。
バファリン、EVE
頭痛、発熱、生理痛、肩こり痛や腰痛にも効果のある「バファリン」や「EVE」は、市販品の鎮痛剤の中でも効果が高いわりに胃に優しく、小児用などもあるので海外旅行にオススメです。
ロキソニン
市販薬として入手できるようになったロキソニンですが、薬局では薬剤師による販売のみが許可されている効果絶大な鎮痛剤です。バファリンやEVEでもなかなか治まらない強い頭痛や神経痛のほか、歯痛にも大きな効き目がありますよ。持参していると安心感も大きくなりますが、副作用で胃痛などを起こす方もいるので服用には注意しましょう。
塗り薬
海外旅行では日本に生息していない強い毒性を持つ蚊などの虫に刺されたり、花粉などに反応して肌荒れが生じる、また機内での乾燥や食べ物によって一時的に肌のトラブルが起こることも多いです。皮膚用の塗り薬はかさばらないので機内用とスーツケース用、2つ以上持っていくと良いですね。
オロナイン
にきびや吹き出物などのお肌トラブルに効果があるだけではなく、軽い傷や火傷にも効能があります。お子様にも使え、皮膚に関しては万能薬といわれるほどなので、手荷物かスーツケースに1つは入れておきましょう。
ドルマイシン軟膏
抗生物質が含まれている軟膏で、にきびなどのほかに切り傷、ヘルペスなどへの効果もあります。また、掻いてしまったあとの虫刺されにも効果が高く、オロナインで治りにくい少しきつい症状の皮膚炎に使えるので、あわせて持っていくとトラブルへの対処が一層早くなりそうです。
ほかにも「べトネーベート軟膏」や「リンデロン軟膏」など効き目が早く、かゆみを伴う湿疹などに特に効果の高い塗り薬があります。ステロイドが配合されているものもあるので、数種類持って行き使い分けると良いのではないでしょうか。
薬はいつ飲むべき?おすすめのタイミングを解説!
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実際に海外旅行へ行ったとき、薬の必要性を感じたら服用するのですが、薬を飲むタイミングって早すぎても遅すぎても効果がちゃんと出ないんですよね。
症状ごとに、海外旅行を満喫するためにはどのタイミングでどの薬を飲むのがオススメなのか、解説していきましょう。
下痢、胃痛、酔い止め
腹部の諸症状については、医薬品の服用は症状が出たとき少し様子を見て、どのような症状か判別がついたらすぐに服用しましょう。
また、「エネオス錠」や「新ビオフェルミンS」は症状が出てもすぐに効果があるものではない反面、症状がない段階から予防で服用することも出来るので、旅行前から飲んで腸を整えておくのもオススメですよ。
酔い止めについては、症状予防になるので乗り物に乗る30分~1時間前に飲むと効果的です。
頭痛、歯痛
頭痛や歯痛など鎮痛剤を必要とする症状の場合は、我慢せず「痛みを少しでも感じた瞬間」に服用します。宿泊場所などですぐ横になることが出来るときは少々様子を見てもよいですが、移動中などに痛みが起きたときは我慢していても改善される可能性が低いので、早めに薬を飲んでしまいましょう。鎮痛剤は症状が軽いときに飲めば、それだけ効き目も早いので飲むタイミングはいつも「早め」を心がけてくださいね。
風邪
風邪薬も症状を少し感じたら早めに飲んでおくほうが良いです。具体的には体の不調を感じた瞬間、たとえば喉の痛みを感じる、寒気がする、鼻水が止まらない、頭が重たい、そんな症状が数時間続き、眠ったり食べ物を食べても改善しないというときは、予防の意味も含めて風邪薬を飲んでおいたほうが、効果も早くなりますよ。
特に「葛根湯」は風邪のひき始めに非常に大きな効果を発揮するので、我慢せず鎮痛剤同様、早めに服用しましょうね。
皮膚炎などは炎症を発見したときすぐに塗布すれば良いのですが、胃腸薬や風邪薬、鎮痛剤には「食前」や「食後」など服用の時期が決められています。
そのタイミングを守りつつ、たとえば「食後」に指定されている薬を飲む際に食欲がないということであれば、チョコレートなどお菓子でも良いので少し胃に何か食べ物を入れてから飲むようにすると良いですよ。
海外旅行へ行くときの飛行機内や渡航先で体調が悪くなったときに、手元に日本の薬があるととても安心ですよね。
健康な方でも長旅のストレスなどでいつなんどき起こるかわからない体調不良に備えて、医薬品類はいつも使っているものなどを複数の症状を予測して、複数の種類を機内持ち込み用、スーツケース内と分けてタイミング良く服用できるように多めに持ち運ぶようにしておきましょう!
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